勾配設定はどのようなときに使用するか?
勾配設定は文字どおり設定入力信号に対して,無段階に任意の値に設定できるもので,言わば設定入力の分圧器と考えてください。各種設定入力信号に対する勾配設定特性はカタログに掲載されていますが,この勾配設定使い方と特長を次に記します。
温度調節計からの設定入力信号が最大値で入力されても,APR出力電圧は勾配設定により任意に調節できますから,ヒータなどの定格電圧に合せて設定できます。また負荷へ加える電圧を任意に低減して設定できることになります。 これらのことから次のような特長を挙げることができます。
- ヒータの定格電圧を任意に選定できる。
- 上記1. により負荷変圧器を省くことができる。
- 炉の設計上,電力値をラフな設計とすることができる。
- ヒータの経年変化に対応した出力電圧が設定できる。
- 温度調節計とAPRを組合せた制御系統が複数台あり,それぞれの温度調節計の最大出力信号が異なるときでも,APRの出力電圧を複数台とも同じ値に合せることができる。
- 温度調節計1 台でAPR を複数台並列運転するとき,各々APR の出力電圧を個々に設定することができる。