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とろみ給茶機の開発

看護・介護をサポートする
飲料に「とろみ」をつけた給茶機を開発

「病院で働く現場の方々の生の声を聴き、開発に活かしました」そう語るのは三重工場のT氏。 2004年入社以来、自販機、給茶機、自動釣銭機などの設計を担当するT氏が病院と接点を持った背景に、今回取り上げる社会課題がある。

【フォーカス・イシュー:社会課題】

少子高齢化に伴う看護・介護業界の深刻な人手不足

介護現場における労働力不足や就労環境の改善は、現代を象徴する喫緊の社会課題。たとえば嚥下(えんげ)障害のある方へのケアは、大きな負担を伴う。食事では誤嚥(ごえん)を防ぐために“とろみ”をつけることが欠かせず、一杯ずつ作るのは手間と労力がかかる。また、調理をする人によってとろみ度合いに違いが出る。この煩雑な作業を衛生的かつ高精度に自動化したのが、T氏開発の“とろみ給茶機”だ。

多様な開発実績があるからこそ生まれたアイデア

「とろみ給茶機は、嚥下障害のある人が安心して飲めるように開発しました。医者や看護師の方が集まる医療学会に顔を出して試飲してもらい、現場の方々の生の声を活かしています」

しかしながら、とろみづくりという繊細な工程は簡単ではない。見た目は通常の給茶機と似ているが、扉を開くとたくさんの技術が詰まっているという。

「人の手を介さず衛生的なカップ自販機と、やけどをしない最適な温度に制御できる給茶機。双方の技術を融合したのが、とろみ給茶機なんです」

介護業界と要介護者、双方のための持続可能な開発

とろみ給茶機は、現場の看護師・介護士の労働環境改善と効率化に寄与し、同時に入居者のクオリティ・オブ・ライフ(注)向上に貢献。
「これからは、もっと視野を広くし、経験と知識を活かしてお客様の要望に応えていきたい」とT氏は語る。

(注)

クオリティ・オブ・ライフ(Quality Of Life=QOL):生活の質。その人にとっての「人間らしい生活」「自分らしい生活」を送れることを目指す考え方。

貢献するSDGs目標

産業と技術革新の基盤をつくろう

目標8

すべての人々のための持続的、
包括的かつ持続可能な経済成長、
生産的な完全雇用およびディーセント・ワークを推進する

富士電機は、とろみ給茶機の設計を通じて、医療及び介護従事者の仕事効率の向上、
就労環境の改善に貢献しています。